Vol.01
代表的なエレベーターの種類
用途による分類
乗用エレベーター
人の輸送を目的とするもの。共同住宅、事務所、商業施設、宿泊施設、医療施設、一戸建て住居などに設置されている。住戸内のみを昇降するエレベーターでかご床面積が1.1m2以下のものは、ホームエレベーターという。また、マンション等では、かご内にトランクが設置されているものもあり、ストレッチャー等を利用するときに使用される。
人荷用エレベーター
人及び荷物を輸送することを目的とするもの。法規上の取扱いは乗用と同じ。
寝台用エレベーター
医療施設、福祉施設等において、寝台やストレッチャーに載せた人を輸送することを目的とするもの。法規上の取扱は乗用より緩和されており、建築基準法施行令第129条の3により寝台やストレッチャーを日常的に使用する建物以外への設置は禁じられている。
荷物用エレベーター
荷物の輸送を目的とするもの。荷扱者または運転者以外の利用は禁じられている。
労働安全衛生法で規定される簡易リフトについても、建築基準法施行令第129条3の昇降機の規定が適用される。
自動車用エレベーター
駐車場に設置され、自動車を輸送することを目的とするもの。自動車の運転手以外が乗ることは禁じられている。
※建物の用途が変わる場合、エレベーター用途について見直す必要がある。
上記のほかに、特殊な構造又は使用形態のものとして、段差解消機やいす式階段昇降機がある。これらの昇降機は平12建告第1413号等の関連告知で構造方法が規定されている。
構造による分類
ロープ式エレベーター
トラクション式
機械室あり
エレベーターの最も基本的なシステムであり、ロープの一端をかご、他端をつり合いおもりに締結し、綱車とロープ間の摩擦により駆動する。
〔適用範囲:低層~超高層の建物〕
機械室なし
巻上機、制御盤を昇降路内の上部、下部、ピットなどに設置することで機械室をなくしている。メーカーにより種々のタイプがある。
〔適用範囲:低層~中高層の建物〕
巻胴式
〔適用範囲:低層の建物〕
油圧式エレベーター
直接式
プランジャーがかごの真下に直結されており、電動ポンプでタンク内の油の圧力を制御してシリンダー内のプランジャーを上下させて昇降させる。
〔適用範囲:低層の建物〕
間接式
電動ポンプでタンク内の油の圧力を制御してプランジャーを上下させるのは直接式と同じであるが、プランジャー頂部の綱車を介して掛けたロープにより間接的に昇降させる。
〔適用範囲:低層の建物〕